石井ゆかり「薔薇色の鳥の本」2
わたしはたぶん
相当な寂しがり屋で
のわりに
一人で外食
一人で買い物
一人で旅行
ひと通り一人行動できてしまうし
一人の時間を死守したいタイプなので
20代の頃は
あまりそのことに気がついてなくて
でも毎晩のように
空虚空虚空虚
わたしには居場所がない
どこかに帰りたい
ずっとそうおもっていた
そのくせ休暇を取って
18切符で大阪から北海道へ
二週間のひとり旅に出るという意味不明な行動に
着くまでの秋田県あたりの
ビジネスホテルで
さびしいよー
こわいよーって泣いて
北海道は
終電は早くて
あたりは真っ暗
宿も決めていなかったわたしは
うおー今日どこに泊まろう
心細いよー
やっとたどり着いたユースホステルでは
お客さんが少なくて
ただっ広いドミトリー部屋でひとり
また寂しさがこみ上げる
そこまでアクティブに動けないわたしは
朝早くから出かけていく他の客たちを尻目に
わたしはユースホステルの漫画コーナーで
だらだら過ごす
でも
なぜそう思ったのかはわからないけど
とりあえずは北に進まなければと
(南へ行きたいと言うやつとは合わん
とおもっていたのはやんわり覚えている 笑)
途中でひまわり畑に寄ったり
湖を眺めたり
道の草を取ってブーケにして
道路標識に飾って
ひとりで不思議ちゃんを演出してみたり
ユースホテルを転々としながら
なんとかして目標地点の旭山まで行った
生きるとは
己を知るということだとおもっていて
自分という人間に耳を傾けて
何が好きか
何がきらいか
何がうれしいか
何がゆるせないか
きちんと理解して
楽に生きれるように
豊かに生きれるようにしてあげたい
あの頃は
それがわからなくて
いろんなことが許せなくて
自分や周りを傷つけまくって
生きてきた
後悔もたくさんあるけど
あの頃のわたしは
孤独を感じていたかった
さびしがっていたかった
自分でそうなることを選んでいた
だからこそ
たくさんの愛に
気がつくことができるようになったんだとおもう
と言っても発展途上
悟りの境地にはほど遠く
まだまだ意味不明理解不能な自分
だからこそ
丁寧に丁寧に
心に耳を傾けて
もっともっと自分を知りたい
理解してあげたい
石井ゆかりさんの本を読んでいて
こんなページがあったから思い出した話でした
(さびしがりながらもそれなりに楽しんだのでご安心を 笑)
あのとき
こんなふうに
誰かに自分の弱さを
思いっきり肯定してもらえたら
どんなによかったか
と
おもったけど
たぶん肯定されていることにも
きっと気づけなかったから
やっぱりそのままでよかった
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